売掛金を回収するには債務承認弁済契約
仕事上の付き合いが長いほど、口約束での付き合いが当たり前となり、きちんと契約書を作っていないことがあります。
順調な支払いがされている間は良いのですが、いざ支払いが難しくなった時には契約書がないと何かと不都合が起きます。
債務承認弁済契約とは売買契約など様々な契約など、すでにある契約上の債務を承認するとともに、弁済についてどのようにしていくか改めて合意するものをいいます。
要するに、既存債務の承認を前提とした履行に関する契約となります。
債務承認弁済契約と準消費貸借契約
債務承認弁済契約は重要ですが、これとは別で準消費貸借契約というものがあります。
これは金銭などの代替物を弁済する債務がある場合に、その物を消費貸借の目的にする契約となります。
再契約を交わす理由
これらの契約は事前に契約があったものを再契約する場合や、契約書自体がなかったために作成するという場合が考えられますが、支払いに詰まってしまった相手にこの種類を作ったからと言ってすぐに回収できるわけではありません。
それでも再契約をしたほうが良い理由は時効のリセットにあります。
再契約による消滅時効のリセット
債権には一定の期間が経過すると権利を行使できなくなる時効が存在するわけですが、通常は訴訟などの手続きをとらないとこの期間を止めることはできません。
ところが権利の存在を債務者が認めると期間はリセットされることになっています。
再契約する場合のポイント
時効がリセットされるというのは重要なことですが、これを知っている債務者は逆にこれによって再契約を拒否する場合があります。
時効間際ではこの可能性が上がるので、こういった交渉を行うのは早めのほうが良いと言えます。
また、時効期間が満了している場合であっても相手が任意に応じるのであれば有効です。
ここで重要なのは、たとえ期間が過ぎていることを債務者が知らなかったとしても時効を主張することができなくなるとされています。
債務承認弁済契約書、借用書のテンプレート(ひな形)
債務承認弁済契約書を作るメリット
もともとあった契約書のほかに債務承認弁済契約を結ぶということには何のメリットがあるのでしょうか?
複数の契約をまとめることができる
特に仕事上の付き合いであれば複数の異なる契約が存在する場合があります。
これらがいくつもあると払う側も回収する側も大変ですので、ひとつにまとめて債権回収をスムーズにするというメリットがあります。
強制執行をスムーズに行うことができる
これは公正証書にした場合ですが訴訟などの手続きをとらずに差押えが可能になります。
執行認諾文言付き公正証書で契約書を作成することで債務名義とすることができますので債権回収が楽になります。